最近は集合住宅や隣の住宅との距離が近いこともあり、ピアノは電子ピアノを選ぶ家庭がほとんどです。
でも、プロの先生に相談すると「電子ピアノは買ってはいけない」なんて意見が飛んできます。

私も音大を卒業しているのですが、ピアノ科の友達はみんな「電子はダメ」と言いますね…
ですが個人的には、初心者こそ電子ピアノで様子見するのがおすすめ!
そして後述するのですが、家庭により求めるレベルが異なるので”買ってはいけない電子ピアノ”というのもありません!
この記事では、電子ピアノがおすすめな理由と予算別のおすすめ商品を紹介していきます。
電子ピアノを買ってはいけない5つの理由

まずは、ピアノの先生やプロのピアニストが「電子ピアノは買っちゃだめ」と言う理由について見ていきましょう。
電子ピアノがダメだと言われるのは、以下の5つの理由からです。
- 鍵盤のタッチが違う
- 鍵盤が軽すぎる
- ヘッドフォンでも騒音になることがある
- 音質が悪い
- 自動演奏機能で子供の気が散る
実はこのデメリット、初心者はあまり気にしなくても良い部分もあります。

それぞれ解説していきますね♪
買ってはいけない理由①タッチに差が出る
まず、本物のピアノで音が出る仕組みは
鍵盤を叩く→ハンマーが弦を叩く→音が出る
という感じです。
対して電子ピアノで音が出る仕組みは
鍵盤を叩く→鍵盤が触れた部分に電気が通る→音が出る
というものが多いです。
なので、電子ピアノだと音の強弱の感覚や微妙な音のニュアンスが身につかないと言われています。

ハンマー式の電子ピアノも登場しているので、最近はあまりタッチの差を感じなくはなってきていますよ♪
買ってはいけない理由②鍵盤が軽いとレッスンで指が動かない
1万円前後の安い電子ピアノに多いのですが、鍵盤がかなり軽いと要注意。
レッスンや発表会ではグランドピアノを使う教室がほとんどなので、鍵盤が重たく感じられて練習の成果が発揮できないことも…
発表会に出るくらいしっかり習うなら、タッチが重めの電子ピアノを選んだ方が良いかもしれません。
買ってはいけない理由③ヘッドフォン着用でも騒音問題になる
私自身、音大時代はハンマー式の電子ピアノを使っていました。
マンション住まいだったのでもちろんヘッドフォンを使って練習していたのですが…
ハンマーがセンサーに触れる音は結構していたので、隣の部屋の妹から「今日の練習、激しかったね」なんて言われることもしばしば(笑)

電子ピアノだからと言っても油断は禁物なので、ピアノを置く場所はなるべく家の中心の部屋にしましょう。
買ってはいけない理由④音質はやっぱり本物に敵わない
本物のピアノは音1つあたり3本の弦が張られていて、一度に3本が共鳴することで豊かな響きが生まれています。
対して電子ピアノはハンマー式であっても音は機械で合成された音…初心者は全く気にしなくていいレベルですが、ある程度弾けるようになると不満になることがあります。
買ってはいけない理由⑤自動演奏機能などで子供が遊んで練習しない
最後はコレ!
電子ピアノには、自動演奏機能がついている事が多いので、練習そっちのけで自動演奏に夢中になってしまう事が多々あります(笑)

ただデモ演奏を聴くのも練習にはとても良いこと。
聴くだけで練習を終わってしまわない限りは、好きなだけ聴かせてあげましょう。
電子ピアノにしかないメリットも!

対して、電子ピアノにしかないメリットもあります。

我が家は本物ピアノよりも、電子ピアノの方が明らかにメリットが大きかったです!
住環境やピアノを始める年齢によっては、電子ピアノの方が向いているケースがありますよ。
メリット①音量調整ができる
電子ピアノはヘッドフォンを付ければほぼ無音で練習できます。
ヘッドフォンなしでもボリューム調整やエコーをかけられたり、グランドピアノ⇔アップライトピアノの音色を切り替えられたりと多彩な機能が搭載されていて便利。

ちなみに、エコーを最小にして練習すると、ごまかしが効かないので結構上達します♪
マンション住まいや戸建てでも隣の家との距離が近い場合は、迷惑にならないボリュームで練習できるのは最大のメリットですよね。
メリット②持ち運びが楽
お引越しの時のピアノの取り扱いって、本当に面倒なんです。

引っ越し業者によってはピアノの運搬を断られることがあるので、ピアノ専門の業者を追加で頼むハメになることも…
また部屋の模様替えで持ち運ぶ際も、電子ピアノだと楽々運べます。
小さいうちはリビングで練習して、大きくなったら子供部屋に持っていく、というのも楽ちんですね♪
メリット③「もうやらない」の時ダメージが少ない
ピアノが初めてのお子さんは、最初はやる気があっても「もうピアノやめる」と数か月でやめてしまうリスクがあります。

せっかくウン十万のピアノを購入したのに、ピアノが物置になってしまうご家庭って結構あるんですよね…
安い電子ピアノで様子見して、めきめき上達してきたらグレードアップさせるとリスク回避できます。
【予算別】おすすめ電子ピアノ10選

それでは、予算別に電子ピアノのおすすめ商品を紹介します!
やはり予算ごとに機能が全然違ってくるので、おすすめの年齢やピアノのレベルについても解説していきますね。

家庭により目指すレベルが異なるので「絶対に買ってはいけない!」という電子ピアノはありません♪
【~1万円】続けるか分からない子におすすめ!
まずは、1万円以内の電子ピアノからです。
1万円以内の電子ピアノは、そもそも鍵盤の数が少ないことがほとんど。

なので、まだ体が小さくて大がかりな曲が弾けない幼児~小学校低学年くらいの子におすすめです。
本物は88鍵あるのに対し、安いモデルは50~70鍵でコンパクトにしています。
【~5万円】大人の初心者におすすめ
体が大きくなってきた小学校高学年~大人の方には、鍵盤の数が88鍵あるフルサイズの電子ピアノが良いです。
5万円までの予算で探すと、タッチや音色が物足りなく感じるので、こちらも「今後がっつり弾くか分からない」初心者さんにおすすめです。
【~10万円】電子ピアノでも本物のタッチを求める人へ
価格5万円を超えてくると、ハンマータッチの電子ピアノが購入できます。
またYAMAHAやKawaiといった国内ピアノメーカーの電子ピアノも手が届くようになってきます。
ペダルや鍵盤のタッチがグランドピアノにかなり近くなってくるので、本気度高めの方におすすめです。
【10万円~】音質まで本物を求める人へ
10万円を超える電子ピアノになってくると、タッチだけでなく音色も本物と遜色ないものになってきます。
おうちで発表会をしたり、デモ演奏をオーディオ代わりに聴くのも大迫力!
ピアノやクラシック音楽が大好きなご家庭におすすめです。
母が音大卒の我が家は、一番安い電子ピアノにしました

…とここまで解説しておいて、なのですが、我が家は子供たちに6,000円台の一番安い電子ピアノを購入しました。
というのも、我が家の長男は発達障害(自閉スペクトラム症)なので、
- 指の力や握力が弱い
- 気に入らないことがあると癇癪を起こす
- そもそも教えても理解できないかも
という特性で「ピアノを続けるか分からない」前提がありました。

そしてこの判断が大正解!
4歳で指の力が弱くても鍵盤が押さえられるので、楽譜を読む事や指を動かすことに集中できているようです♪
ピアノを教え始めて1か月半で、両手で1曲弾けるようになってきました!
もう少し上達したら、ハンマーアクションの電子ピアノを購入しようと思います。
初心者はどの電子ピアノでもOK!上達してきたらグレードアップしよう
電子ピアノは、プロからすると「買ってはいけない」と言われてしまいます。
が、ピアノを続けるか分からない子供の初心者は電子ピアノで様子見するのが賢い方法かもしれません。
もしピアノが大好きになって、上達してきたら10万円前後のモデルがおすすめ。
鍵盤のタッチや音の強弱が本物にかなり近くなってくるので、上級者の人でも大満足な練習ができるでしょう。
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